2015年度から、これまで健康食品をはじめとする保健機能を有する成分を含む食品についても、一定の条件を満たせば、新たな機能性食品として、企業の責任で機能性表示ができるようになる。
これは「どの野菜が○○に効果がある」と成分だけでなく効き目が表記出来るのは、企業側だけでなく消費者からみても非常にうれしいニュースだ。
機能性表示とは「〇〇に効果的なトマト!」などの健康効果をPRする表記のこと。
食品には、3つの役割があると考えられている。
- 生命維持のための栄養面の働き(栄養機能) …1次機能
- 食事を楽しもうという味覚・感覚面の働き(感覚機能) …2次機能
- 生体の生理機能を調整する働き(体調調節機能)…3次機能
今回話題としている「機能性表示」は、食品の3次機能に関する表示についてだ。
これらは薬事法の関係上、医薬品にしか表記がゆるされていなかった。しかし、来春からは野菜や加工食品も科学的根拠を消費者庁に提出することで表記が可能となった。その中で注目されており、伊勢丹などで販売されている機能性野菜だ。
タキイ種苗株式会社の商品の中で「ファイトリッチ」というシリーズがある。
機能性成分を多く含む新しい野菜品種を育成、商品化することに成功し、「ファイトリッチ」シリーズと名付けられたこれらの品種は現在10種類以上を数え、年々その品目・品種を充実。(このように野菜品種を栄養成分からとらえて育成し、シリーズ化したことは世界でも前例がない。)
上記のように、成分と共に期待される効能として表記が全国的に出されるようになる。そこで気になるのは、機能性野菜の効果で健康なのか?それとも通常の野菜を食べても健康だったのか?
これだけの情報は健康に良さそうという答えしか出てこない。普通に野菜を食べても健康にはいいだろうが、機能性野菜を推進すると国内農家は高付加価値の野菜ばかり作るようなり価格上昇、自給率も更に下がる。
そうなった場合、工場内で生産された野菜しか世の中に出回らなくなるのか、筆者も将来の食糧不足が心配される。