三菱重工傘下の三菱航空機が開発していた国産の小型ジェット旅客機。
11日の午前に名古屋空港にて初飛行、離着陸を行った。
半世紀ぶりの旅客機となった。
初飛行は試作に作られた5台のうちの初号機。
今までは滑走路を走ったり、飛ぶ一歩手前の前輪が少し浮くところまでのテストが実施されていた。
「MRJ(ミツビシ・リージョナル・ジェット)」には三菱重工、三菱商事、トヨタ自動車などが出資。さらに、総開発・研究費含む3分の1を政府が約500億円負担した国家プロジェクトだ。
何故ここまで騒がれているのか?
日本の航空メーカーが戦前に多数存在し、三菱が設計した「ゼロ戦」は歴史上でも有名だ。
敗戦でGHQによって航空機の生産はもとより研究も禁止され、二度と軍需産業に進出できないように解体された。
技術者の多くは自動車産業へ変わった。(スバルが例)
GHQから解除がされ航空事業に参入が許されたのだが、他の国と技術レベルに差があり、部品だけでなくライセンス化されていた為費用が馬鹿にならなかった。
そして国家プロジェクトのプロペラ型【YS-11】飛行機が完成したのだが、多額の借金や予想外の出費が重なり、売れば売るほど赤字。技術は成功したけど経営は失敗というなんともお粗末な形で幕を下ろした。
と歴史背景もあり、技術が躍進したからこそ出来たことであり、MRJは機首をとがらせるなど空気抵抗を極力減らし、燃費性能は従来機に比べて二割向上。排出ガスや騒音も極力抑えた。
【YS-11】は182機の販売で幕を下ろしたが、これまでに全日空や日本航空、米スカイウェストなどから計407機を受注している。
一機あたり約56億円。
合計2兆2792億の売上になる。MRJの今後は国内線で運用される見通しだ。