狂気の初版グリム童話。ヘンゼルとグレーテルの復讐劇

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本当は怖いヘンゼルとグレーテルをご存じだろうか?

「初版グリム童話は怖い」と一時期ブームになるほどだった。

さて、ヘンゼルとグレーテルはマイルドになった話ではなく、狂気と復讐の話だった。

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一般的な「あらすじ」は?

あるところにまずしい木こり家族が住んでいました。
その家族は四人家族で、優しいお父さんと血の繋がらない継母
そしてお兄ちゃんヘンデルと妹のグレーテルの四人家族でした。

きこりの家族は貧しく食べるものも無く、いつもお腹を空かせていました。
そこである日、継母は考えました。
夫婦だけでも食べるものが足りないのに子供たちまでいたんじゃ
一向に暮らしが楽にならない。
そして継母は子供たちを捨ててしまおうと考えました。

その夜、継母はその事をきこりに話しました。
きこりは反対しまいたが、継母の強い口調に勝てず
とうとう子供達を捨てる事を決心しました。

しかし、その話をお兄ちゃんのヘンデルは物陰で聞いていました。
翌日、きこり夫婦は、薪拾いに行くと言って子供達を森に連れ出しました。
もちろん子供達をを森に置き去りにするが目的です。

でも、その事を知っていたヘンデルが道中、昨夜のうちに月の灯りで
白く光小石を沢山拾って置きそれを来た道の上に落として来て
いたのでその日はそれを頼りに無事家に帰れる事が出来ました。

しかし、そんな事では継母はあきらめません、再度別の日に子供達を
薪を拾いに行くと言って森に連れ出し置き去りにします。
今度はヘンデルは夜月が出ていなかった為に白く光る石を拾うことが出来ず
石ではなくパンくずを道中に落としていたので小鳥に食べられ帰り道が分からず
迷子になってしまいました。

そして迷って森をさまよっているうちにヘンデルとグレーテル
は全てがお菓子で出来ている家にたどり着きます。
お腹を空かせた二人がお菓子の家を食べていると
気のよさそうなおばあさんが出てきました。

しかし、このおばあさんは子供を捕まえては食べる
悪い魔法使いだったのです。

案の定、ヘンデルとグレーテルはこの魔女に捕まり、
ヘンデルは小屋に閉じ込められごちそうとして太らせてから
食べられよう魔女は考えました。

そしていよいよヘンデルが食べられそうになってた時
カマドに入れられる瞬間が近づきましたが、、
火加減調整を命じられたグレーテルがカマドの火加減の
調整の仕方が分からないと言って魔女をカマドまでおびき寄せ、
そのままカマドに魔女を突き落としフタを閉めて魔女を退治しました。

そして、ヘンデルを助け、魔女の部屋にあった宝物を
持って兄妹で逃げ出し、さまよいながら無事に家に帰ると
なんと継母はすでに亡くなっていたので
優しいきこりのお父さんと兄妹はその後幸せに暮らしました。

とこんな話だ。登場人物は少ないけれど、グリム初版は違う。

グリム初版はどんな話?

いくつか割愛はさせていただくのですが・・・

貧乏だったけれど愛の溢れる家庭だったので家族は幸せだった。
母が死に、継母が来るまでは…継母は我が強く意地悪な女だった。

継母に苛められていた妹を庇い
殴られた上に物置に閉じ込められ食事を抜かれた事があった。

ヘンゼルとグレーテルをお菓子の家にいれ、そして檻の中に入れる。

(大男の門番もいる)

お婆さんはある領主から命じられて少年達を捕らえて丸々と太らせていたのだ。
ある領主とはジル・ド・レという名で
魔女と呼ばれたおばあさんにも
ペリーヌ・マルタンというれっきとした名前があった。

少年(ヘンゼルとは違う)は女装したまま部屋の隅から隅まで歩かされる。
ジルが良しと言うまで
「美しい、なんてお前は美しいんださすが私が選んだだけの事はある」
そう言って後ろからジル(領主)は彼をかき抱いた。そしてベッドの上へ。
そして服を少しずつ脱がされていく。

ジル(領主)はその体を片腕で締め付けナイフをたおやかな首にグサッと刺した。
しかしそれだけでは終わらない。
ジルは彼の死体をベッドに放り投げ裸になって彼に跨った。
そして、ジルは彼と交わる。(死んだまま)

檻の中の少年達が
わぁーっとおばあさんに襲い掛かった。

そしてその気絶したお婆さんを柱にくくりつけると少年達は檻から出た。

彼らが最初にした事
それは教区内の役人に一部始終を訴えることだった。

最初は相手にされなかったが、夜な夜な恐ろしい叫び声が聞こえてくるという奇妙な噂を知っていた。

城の近辺の住民に聞き込み調査をし「誹謗文書」が作成された。

ジルは逮捕され、城の中を家宅捜索すると
出てきたのは血のついたペンチや鞭などの拷問器具、
血のこびりついたノミや焼き鏝
そして、ぞっとするような少年の死体だった。

ジルは十四年もの間
計約百四十人の少年少女を残虐な拷問にかけて殺したのだ。

ジルは命ぜられるまま縄を首にかけ、火を放たれた。

ジルのように身分の高いものではない彼らはもっと残虐な殺され方をした。
赤く焼けた鉄てこを押し当てられ老婆は気絶し、そのまま鉄てこで手足の指を一本一本引き抜かれ、そして火刑台へ放り込まれた。
大男も同じ運命を辿った。

⑫二人が家に帰ると父も継母も泣いて喜んだ。
「罪深い継母さんを赦しておくれ
私は父さんには死んで欲しくなくて、それでこんなことをしてしまったんだ」
そう言った継母も父もだいぶやつれていた。
あれから草の根や茎などしか食べていなかったらしい。

人食い領主のもとから奇跡的に生還した二人は
一躍有名人になり、
その武勇伝を聞こうと二人の家に人々は押し寄せた。

数日後、二人の家に兵士達がやってきた。
なんでもこの継母が人食い領主に子供達を売った罪で捕らえに来たとか。
継母は「そんなことしてない!」と泣き叫んだが兵士達は聞く耳持たず。
「変ねぇ、お兄ちゃん
継母さんは私達を売ったりしてないのに、何故捕まったのかしら?」
とグレーテルが言うとヘンゼルはニヤリと笑いながら
「さぁね、今密告が流行ってるから
誰かに恨みでも買われたんじゃないの?」
と平然と言うのだった。

グリム童話は時代をあらわしている

長くなりましたが、初版グリムはこのような話。

まず、登場人物が複数いて、魔女にも理由があったと。領主とか結構えぐい話になっている。

この物語は、飢餓の中を生き延びるために実際に行われていた“子捨て”の習慣を伝承するものであると共に、子供が親の精神的支配を打破して自らの人格を自立させてゆくという精神成長の話でもある。

 

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