Journal of Glaciology(雪氷学会誌)によると、1万年前に始まった南極の積雪の増加。
南極大陸の氷床の損失を積雪の増加で上回るために大陸に十分な氷を追加しているとNASAの研究で明らかになった。
どういう研究だった?
南極氷床の融解が海面上昇につながっているという従来の説は覆される。
“We’re essentially in agreement with other studies that show an increase in ice discharge in the Antarctic Peninsula and the Thwaites and Pine Island region of West Antarctica,” said Jay Zwally, a glaciologist with NASA Goddard Space Flight Center in Greenbelt, Maryland, and lead author of the study.
引用元:sciencedaily 一部抜粋原文
もっと先があるのでいくつか省略していくと。
南極半島を含む西南極の一部で氷床の融解が進む一方、東部や内陸部の一部で氷が増加傾向にあることは、かねて指摘されていた。今回の研究では、この増加分が減少分を上回ることが明らかになったという。
Zwallyのチームは西南極と南極半島の沿岸地域からの氷の損失は年間650億トン増加した東南極の質量は、年間2000億トンで1992年から2008年まで堅調に推移していることがわかりました。
氷が増加しているのは、1万年前から続く降雪の増加が原因とみられる。雪は年月を経て積み重なり、圧縮されて氷となる。
1992~2001年には年間1120億トンの氷が新たに加わった。02~08年はペースが下がり、年間820億トンの増加となった。
Zwallyの良いニュースは、南極は現在、海面上昇に寄与していなかったが、離れて年間0.23ミリメートルを取っていたことだったという。
過去10年以上にわたる研究では、南極大陸やグリーンランド、世界各地の氷河から溶け出した氷が、海面の上昇を引き起こしているとされてきた。西南極の氷床が融解すると、地球の海面は約3メートル上昇するといわれている。
しかし新たな研究結果では、南極大陸は差し引き計算すると全体として氷が増えているため、海面上昇の要因ではないことになる。
つまりは雪が降ったから消えていく氷床を上回ってなんとか大陸として維持出来ているということ。
西南極での氷床融解は次第に加速している一方、氷の増加傾向は近年緩やかになってきた。そのため今後20年のうちに、減少分が増加分を上回ることが予想されるという。
南極は南極点平均温度マイナス50度
通年の平均気温は-5.5℃で、冬の平均気温は-10.8℃、夏の平均気温は0.2℃。
しかし、2015年の3月24日にエスペランサ基地で南極大陸での観測史上最高気温とみられる17.5度を記録。
地球温暖化が原因ではないかといわれており、近年日本で10月なのに暖かかったり、8月は世界で猛暑になるなど影響は大きい。
今回のNASAの研究で暑さで氷が溶けて海面上昇という定説が、氷が増えているから海面上昇に関係ないということになる。それでもグリーンランドなどでガンガン溶けている為、やはり温暖化への懸念は消えない。