緊急で対処しなければならないエボラ出血熱。
中央アフリカを中心に猛威を振るった、致死率が非常に高い病気として有名。
致死率は最高で90%前後。
だが、ファビピラビルの投与で回復者も出始めている。
(ここから先は過去、なった人の画像も出るので注意)
WHOによると、19日時点での7か国におけるエボラ出血熱の感染者は9936人で、うち4877人が死亡した。7か国の内訳は、流行が深刻なギニア、リベリア、シエラレオネの西アフリカ3か国と、WHOがエボラ熱終息宣言を出したセネガルとナイジェリア、エボラ患者と接触した看護師の感染が確認されたスペインと米国。このうち、最も多くの犠牲者を出しているのはリベリアで、4665人がエボラに感染し、2705人が死亡している。
エボラ出血熱は今年3月から西アフリカの3カ国(ギニア、リベリア、シエラレオネ)で流行し、9月28日までに3000人以上が死亡している致死率の高い感染性の疾病。患者の体液(血液、分泌物、排泄物、吐物)に触れることにより感染し、患者は、2~21日(通常は7~10日)の潜伏期間の後、発熱、激しい頭痛、関節痛、筋肉痛、腹痛、嘔吐、下痢、脱力、出血などに襲われる。
エボラウイルスは極めて脆弱なウイルスだ。乾燥に弱く、インフルエンザウイルスのように空気感染することができない。罹患者の体を離れると数時間しか生存できないほどだ。そこでエボラウイルスは脆弱でありながら、最大に感染率を高める方法を編み出した。
宿主を内側から炸裂させるのだ。
エボラウイルスは最後に人体を炸裂させる。炸裂するとウイルスがたっぷり詰まった血液が、周囲数メートルにべったりとばらまかれる。“放血”という。患者が放血した部屋は、床も壁も天井にまでも血がぶちまけられるため、閉鎖するしかないのだそうだ。
富士フイルム傘下の「富山化学工業」が開発した抗インフルエンザ薬「アビガン」(一般名ファビピラビル)がスペインで患者に投与され、治癒に成功。アビガンはエボラ出血熱の治療薬としては未承認だが、フランスやドイツ、ノルウェーでもエボラ出血熱の治療薬として使用されており、フランスではこの薬を投与された患者が治癒し、退院した例も報告されている。
インフルエンザ治療薬「アビガン(一般名ファビピラビル)」について、英ケンブリッジ大学の研究チームは21日、ノロウィルスに対しても効果を発揮する可能性があるとの見解を示した。
研究はなお初期段階にあるが、マウス実験でノロウィルス感染を低減、または除染する効果が確認された。
アビガンの投与で、ノロウィルスが「致死突然変異誘発」と呼ばれる自滅プロセスに至り、事実上、死滅するとしている。ロイター通信
この薬だが、過去に開発は終わっており、タミフルの代用として年間売上高は数百億~1000億円級になる」と期待されたものが、「めったなことでは使わないクスリ」に成り果てたからだ。「パンデミック」と呼ばれる新型インフルエンザなどの大流行に備えるためのクスリであり、通常の季節性インフルエンザの治療には使わないということだ。当面、医療機関には流通せず、政府にパンデミック対策の備蓄用で販売するのみとなっていた。
どう転ぶかわからないが、日本として富士フィルムの功績とエボラ出血熱の収束を願うばかりだ。