カエルは世界でも日本でも有名な両生類。
生活はほぼ樹上性だが、水田の周囲に生えている背のそれ程高くない草の葉の上などでも見かけることが良くある。
嫌われ者が多い両生類の中ではなかなか許容されているカエルで、ニホンアマガエルなど美しい色とフォルムをしており、気持ち悪いといわれにくい生き物である。
そんなカエルだが強い毒性を出し、最悪の場合死に至らせるカエルが存在する。
先ほど例にも挙げたニホンアマガエルも毒を持つ。ただし毒性は弱い。毒が傷に触れると激痛がはしり、カエルに触った手で目をこすると失明の危険もする。この毒は本来は外敵に作用するものではなく、カビなどが身体に着くのを防ぐ為のもの。
皮膚に触れた位なら問題はなく、カエルを触ったら手を洗うの普通だろう。
日本では人を死に至らせる程の毒性を持つカエルはいない。南西諸島には帰化種として南米原産のオオヒキガエルが分布しており、本種は非常に毒が強く、人に対しては目に入ると失明したり、大量に体内に摂取すると心臓麻痺することもある。
(左がヒキガエル、右がアマガエル)
日本に4種ほどが分布するヒキガエル類は、目の後ろ辺りに耳線(じせん)という毒線があり、追い詰められると最後の最後に毒液を出し、それも滲み出る程。この毒はブフォトキシンといい、強心効果があることが知られている。
ヒキガエルが入っていた水を猫や犬がなめたりすると、呼吸困難、吐き気、運動麻痺そして対麻痺となり、場合によっては発作やけいれんを起こし、時には死に至る。
見かけたらすぐに水で漱いで、病院に駆けつけた方がいい。