今、アベノミクスに大きな障害が出ていると産経新聞が報じている。
記事によると、9月19日に発売された米アップルの新型スマートフォン「iPhoneと6プラス」の販売により、
安倍晋三首相が消費税率を10%に引き上げる判断材料にする7~9月期の国内総生産(GDP)成長率への影響が出ると懸念されている。
iPhoneは輸入となるため、この通信機の輸入増が9月の貿易赤字を拡大させる要因となる。
BCNランキングの集計期間:2014年10月6日~10月12日までの携帯電話販売ランキングをみると、1位から10位の間で8位以外すべてiPhoneで埋められている。
街中を見て見ればほとんどiPhoneに埋め尽くされ、Android端末を使用している人もいるが、比率はやはりiPhoneが多い。(下記記事抜粋)
10%への再引き上げは法律で「経済状況の好転」が条件とされている。安倍首相は12月初旬までの経済指標などを踏まえて最終判断するとしており、中でも7~9月期のGDP成長率が判断の軸になるとみられる。GDPの構成要素の一つである「外需」は貿易収支が悪化すれば小さくなるため、結果的に「アイフォーンの輸入が増えるほどGDPが押し下げられる」(大手証券のエコノミスト)。
アップルによると、新型モデルの販売台数は発売から3日間で過去最高の1000万台超となった。「買い控えとみられる動き」(財務省)から、8月の貿易統計では中国からの通信機輸入が33.1%減と落ち込んでおり、日本でも9月は販売台数を大きく伸ばしたとみられる。
財務省が今月8日に発表した9月上中旬の貿易収支は7682億円の赤字で、自動車などの輸出が伸びたことから、上中旬ベースでは赤字幅が2カ月ぶりに縮小した。
ただ、新型アイフォーンの輸入が本格的に反映されるのは9月下旬分のため、エコノミストらは「9月は貿易赤字が拡大する可能性が高い」と予想する。9月の貿易統計は22日に公表される。
とはいえ、これは毎年のことである。昨年のiPhone5Sと5Cが発売した時も赤字を計上した。Apple社との契約なのか、Android端末は実質負担が高くiPhoneは安い。これでは他に流れてしまうのは仕方がないだろうか?
日本製への不満は、買い替えでのアプリの持ち越し不可や月額制、メーカーによる操作の違い、画質の悪さ、予備バッテリー必須、無駄の多さなど
これを1度すり込まれてしまうと国産に移る気になれない。
この記事は「iPhoneのせいで貿易赤字になりそう」と読み取れるが、iPhoneの部品は日本メーカーと台湾メーカーがほとんどだ。昨年度のiPhone5Sや今回の6のカメラもSONY製であり、日本が製造工場である中国に輸出していた。なので部品を製造している企業は利益を得ていた。
元々の赤字はエネルギー高騰が大きく影響しており、エネルギー価格の低減は政府の死活問題。
過去最大の13兆円台の貿易赤字を記録した2013年度に続き、2014年度も10兆円台の赤字となるだろう。
設備投資委縮や労働力人口減少で国内供給力が減少し、国内景気回復が輸入増加につながったと考えるのが妥当だ。
海外経済の回復と円安による価格競争力の向上で、輸出は回復に向かうというのが政府や日銀の考えだろう。電気関連企業は低迷した事業を売却し、新たな事業戦略で海外に進出している。そのほとんどはマイナスとなっている。
高齢化社会とともに海外シフトも当然関係している。
アベノミクスは国内の輸出企業の利益拡大に繋がってはいるが、輸出量が拡大しているわけではない。エネルギー問題を抱えた企業の海外シフトは、国内消費の輸入拡大だけが増えて、輸出拡大に繋がらない。
景気回復の順調さをゆっくりとだがみせたアベノミクス。この問題プラス閣僚の問題も加えて影響を及ぼすだろう。