例えばアメリカ合衆国はハクトウワシ。映画でもワシのモチーフがよく出てくる。その中で日本の国鳥と聞かれて答えられるだろうか?
ふと思い浮かぶ候補は「トキ」「ツル」「カラス」「ハト」「キジ」だ。
日本の国鳥はキジなのだが、何故キジなのだろうか?
思い浮かぶ候補として挙げたのは理由がある。
- 朱鷺(トキ):学名が「ニッポニア・ニッポン」 “Nipponia nippon ”
- 鶴(ツル):昔話で「鶴の恩返し」で有名。天然記念物。
- カラス:日本神話の八咫烏(やたがらす)日本サッカー協会のシンボル。
- ハト:平和の象徴
この4種の中ではトキとカラスが有力だ。だが、カラスに関しては神話の為、むしろ害鳥として扱われる。であれば学名がニッポニア・ニッポンであるトキが国鳥でいいのだが、日本産がすでに絶滅しており、飼育下のトキは、中国から頂いたペアによって繁殖が順調に進み、平成19年には約100羽まで増えている。トキは種の保存法で、個体の捕獲や譲渡等が規制されている。例えば、拾ったトキの羽を他人に譲り渡す等の行為は法律違反となる。
となれば消去法でキジとなる。キジを国鳥と決めたのは日本鳥学会で、昭和22年(1947)3月。
当時,山階鳥類研究所の高島春雄氏の日本野鳥の会の会誌「野鳥」の13卷1号(48年)に「国鳥キジ」としての議論によると,その理由は次の6点。
1.日本固有種で日本の象徴である.
2.留鳥であり,一年中観察でき,人里近くにも生息する.
3.非常に美しく,鳥に関心をもつ人が好む.
4.大型で肉も美味.狩猟対象としても最適である.(キジ鍋)
5.古事記や日本書紀のような文献にもキジとして登場.桃太郎などの話でも有名.
6.オスの飛び立つ姿は男性的,メスは非常に母性愛が強い
候補として、ヤマドリ、ハト、ウグイスなどが揚げられたが、特に決定的だったのは、キジが日本の固有種だからと言う理由だ。