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アーサー王とアヴァロン。伝説の島はどこにあるのだろうか?

アヴァロンという地名を聞いたことがあるだろうか。

アヴァロンという言葉を聞いたことがあっても、神話やゲームの題材というイメージしか持っていないという人が大半だろう。

アヴァロンとはアーサー王伝説上に存在する島の名前で、最終決戦の後に彼が運び込まれた場所もアヴァロンであるという。

アヴァロンという名前はイギリスの『ブリテン列王史』の中でケルト神話の異界の島々として登場する。

ローマの英雄カエサル(シーザー)。彼は、紀元前55年と54年にイギリスへ遠征している。
当時のカエサル達ローマ人はガリア(フランス)と海を挟んだこの地をブリタニアと呼んでいました。

そして、幾ばくの時が過ぎ、ゴタゴタ続きでブリタアニアが統一されていない449年頃。アングロ・サクソン人のゲルマン来襲。
彼らはアングル人、サクソン人、ジュート人というゲルマン系民族。そのアングロ・サクソン人たちはブリタニアにいるケルト系ブリトン人を打倒し着々と支配地域を広げて行くようになります。

その戦争の中で、400年代後半から500年代初め頃に祖国を守るためアングロ・サクソン人と戦ったのがアーサー王です。

そして、そのアーサーが王様になる逸話が冒頭に書いたこの台詞。

「この剣を石より引き抜いたものが全イングランドの正統な王である」

イングランドという言葉は、”Engla-land” に由来しています。
この意味は、「アングル人の土地」。
つまり、イングランドとはアングル人の国となるのです。

アーサー王はそのアングル人たちと戦っていたケルトの英雄です。そんな彼が全イングランドの正統な王になるというのは何かオカシイ。
この状況では、全ブリタニアの正統な王になる、が妥当。しかし、他の書籍では「ブリテンの王になる」というものもあり、どれが正しいものか不明になっている。

そして、最終決戦であるカムランの戦い。最終決戦の後に彼が運び込まれた場所もアヴァロンであるという。この場所はある種の楽園として表現され、作物は手入れ無しで育ち、そこに住む人間は永遠の時を生きると考えられてきた。

当然アヴァロンは架空の地名であるという説が有力であったが、近年イングランド南西部のサマセット州の古都グラストンベリーなのではないかという説が議論を呼んでいるのだ。

1191年にこの地のグランドベリー修道院からアーサー王と妻であるグィネヴィアの遺体が発掘されたという逸話が残っており、ともに埋葬された十字架にはアヴァロニアという地名が記されていたとされている(両者の遺体は1276年に再び修道院に埋葬されたとされている)。

アヴァロンはグラストンベリーの地なのか、それともフィクションの中の存在なのか。