空の様子は雲が多少あったが、観測する分には問題なかった。月食が起こってから1時間ほどで終わり、9時30分ごろに元に戻り始めた。
太陽の本体(光球)が月に完全に覆われる皆既日食と,月全体が地球の本影内に入って暗くなる皆既月食という。一番の見どころは月食になった際に赤銅色になることだ。
月が徐々に欠けてきているのがわかるだろうか。
月食は、太陽-地球-月が一直線に並ぶとき、つまり、満月のときだけに起こる。ただし満月のたびに月食が起こるというわけではない。
地球の影には「本影(太陽光がほぼさえぎられた濃い影)」と「半影(本影を取り囲む薄い影)」の2種類があり、月がどちらの影に入り込むかによって、月食の呼び方が変わる。今回は本影の方だ。
皆既食中の月は真っ暗になって見えなくなるわけではなく、「赤銅(しゃくどう)色」と呼ばれる赤黒い色になる。赤くみえる理由は国立天文台よりこんな説明がある。
地球のまわりには大気があります。太陽光が大気の中を通過する際、波長の短い青い光は空気の分子によって散乱され、大気をほとんど通過することができません。
一方、波長の長い赤い光は散乱されにくく、光が弱められながらも大気を通過することができます。これは、朝日や夕日が赤く見えるのと同じ理由です。また、大気がレンズのような役割を果たし、太陽光が屈折されて本影の内側に入り込みます。
このかすかな赤い光が皆既食中の月面を照らし、月が赤黒く見えるのです。
観測自体は肉眼でも見えるが、最近のデジカメはズームできれいに取れるので記念に撮影するのもいいだろう。今回の写真は3万くらいする安いコンパクトカメラだ。流石にすごいカメラにはかなわないがこれでも十分なほどだ。
月食が終わると徐々に戻り綺麗な満月となる。
今回の月食は、普段は暗くて探しにくい天王星が皆既食の月の近くに浮かぶ好条件で、双眼鏡などを使って天王星が観察できた。日本で次に見られる皆既月食は、「2015年4月4日」となる。あと半年先なので春の天体と一緒に観測するのもいいだろう。